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2024.08.19

展覧会「消えつつ 生まれつつ あるところ」


消えつつ 生まれつつ あるところ
A Place That is Vanishing While Being Born

会期/2024年10月19日(土)〜11月18日(月) 期間内の土曜・日曜・月曜のみ

開場/12:00〜18:00(最終受付17:30)

会場(全5箇所)/イクヤマ家(石川県金沢市菊川 2 丁目 14-3)・お向かいの家・K アパート・角の家・松本家

観覧料/1,500円 ※関連イベントチケットは別途必要

アーティスト・グループ/ ※アルファベット順
中森あかね Akane Nakamori
田中宏和 Hirokazu Tanaka
佐藤弘隆 Hirotaka Sato
下出和美 Kazumi Shimode
道念邦子 Kuniko Donen
マーガレット・ウィブマー Margret Wibmer
ニック ヴァンデルギーセン Nik van der Giesen
O33 Ou Sansan
清水冴 Sae Shimizu
サブドキュメント sub-document

主催/特定非営利活動法人綴る
助成/ハウジングアンドコミュニティ財団、Federal Ministry Republic of Austria. Arts, Culture, Civil Service and Sport、アイスタイル芸術スポーツ振興財団、澁谷学術文化スポーツ振興財団

キュレーション/中森あかね、清水冴
アシスタントキュレーター/笠間亜理沙
サイン計画・インストール/山本周、頼安ブルノ礼市
デザイン/神子澤知弓

お問い合わせ/中森あかね akane@suisei-art.com 電話:090-1637-6251
清水冴 shimizusaee@gmail.com

公式webサイト/展覧会「消えつつ 生まれつつ あるところ」

公式Instagram/ @kietsutsu_umaretsutsu

「消えつつ 生まれつつ あるところ」フライヤー(PDF)

「消えつつ 生まれつつ あるところ」プレスリリース(PDF)

本展覧会は金沢21世紀美術館主催「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」 連携企画「もっと踊ろう!共感のエコロジー」に参加しています。


A Place That is Vanishing While Being Born

Period
October 19 (Sat.) - November 18 (Mon.)
12:00 - 18:00
Sat. Sun. Mon. only

Admission
1500 yen (Related events ticket not included)

Venue
Ikuyama House, Omukaino-ie, K Apartment, Kado House, Matsumoto House

Artists / Group  in alphabetical order
Akane Nakamori
Hirokazu Tanaka
Hirotaka Sato
Kazumi Shimode
Kuniko Donen
Margret Wibmer
Nik van der Giesen
O33 Ou Sansan
Sae Shimizu
sub-document

Organizer
Nonprofit organization "Tsuzuru”

Supported by
Housing and Community Foundation
Federal Ministry Republic of Austria. Arts, Culture, Civil Service and Sport
Istyle Art and Sports Foundation
Shibuya Science, Culture and Sports Foundation

Curation
Akane Nakamori and Sae Shimizu

Assistant curator
Arisa Kasama

Sign Planning and Installation
Shu Yamamoto, Reichi Bruno Yoriyasu

Design
Tomomi Mikozawa

Inquiries
Akane Nakamori: akane@suisei-art.com
Tel: 090-1637-6251
Sae Shimizu: shimizusaee@gmail.com

Official Instagram
@kietsutsu_umaretsutsu

This exhibition is in collaboration with the ‘Let's Dance More! An Ecology of Empathy’ project related the exhibition ‘DANCING WITH ALL: The Ecology of Empathy’ , organised by the 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.

展覧会ステイトメント

植物は、発芽し、成長し、開花し、種子を残し、枯死・休眠するというライフサイクルがあります。日本では古来より建築素材として樹木が用いられてきましたが、この展覧会では菊川という土地に根ざす「空き家」を、枯死・休眠の段階にある植物として想像します。かつて誰かがそこに住み込み、日々の生活を営み、去る。風雪や災害にも家屋は傷む。やがてそれは打ち捨てられ、空き家となる。しかし、葉を落として枯れ、休眠することが植物の次なる生のサイクルに不可欠なように、菊川の空き家もまた安らかな休息の過程にあるのではないでしょうか。そして今、長く眠っていた空き家の窓がそっと開けられ、誰かがその場に介入しようとしています。家の持つ記憶をなぞり、そこに新しい空気を吹き込んでみる。かつての住人が遺した痕跡に、水を与えて撹拌してみる。その静かな営みは、次なる生の芽吹きの兆しを予感させることでしょう。

会場となる菊川の 5 軒の空き家(空き部屋・空き家を改築した家)では、アーティストやパフォーマーによる作品が展開され、人びとは路地をそぞろ歩きしながら、展覧会を巡ることになります。その拠点となる昭和後期に建てられた一軒家「イクヤマ家」では、道念邦子(1944−)が「永遠に続く今」を意味する常緑樹・朝鮮槇(ちょうせんまき)の葉をモチーフとしたインスタレーションを発表します。イクヤマ家の向かい、戦前に建てられた一軒家「お向かいの家」では、佐藤弘隆(1993−)がデジタル時代の死生観と倫理をテーマとしたメディア・インスタレーション、O33(1993−)は羊の腸を素材に、チベット仏教に基づく死生観をテーマとしたテキスタイル作品を発表。イクヤマ家で滞在制作を行うマーガレット・ウィブマーは、ラブレターをモチーフに「愛」を探求する参加型のパフォーマンスを行います。昭和後期の「K アパート」では、3 つの空き部屋で 3 名の作品が展示されます。田中宏和(1998−)は空き部屋をそのまま作品とする仕掛けを作り、中森あかね(1962−)は室内で植物を育て、朽ちた部屋を聖なる空間へと変容させるインスタレーション、ニック・ヴァンデルギーセン(1981−)は能登を撮影した写真作品を発表します。昭和初期から住居兼店舗として使われていた「角の家」では、金沢を拠点とする創作ユニット、サブドキュメント(2021−)が「のこされたもの」をモチーフに演劇を行います。そして、築 100 年以上の空き家を改修した「松本家」では、生い茂る草花のなかに悠々とたたずむ不思議な少女(あるいは少年)や小動物を描いてきた下出和美(1983−)による絵画作品、庭先を流れる鞍月用水から着想を得た清水冴(1997−)による参加型の作品が設置されます。

今年の初め、令和 6 年能登半島地震に際し、多くの人びとが大切な人や場所を失いました。芸術には、この喪失を癒し、希望へと変える力があるのでしょうか。植物のように、人間も、家屋も、コミュニティも生まれては消え、そしてまた生まれる、という循環を辿ってきました。芸術の創造性を通じ、植物をいたわるように、自己や他者、家屋やコミュニティをいたわり、育む。菊川の空き家群―消えつつ生まれつつあるところ―を巡りながら、みなさんと共に、試みてみたいと思います。 (キュレーター 中森あかね 清水冴)

本展の特徴

空き家群を生かした展覧会

本展覧会は、空き家の活用とコミュニティの活性化を目指すNPO法人「綴る」が主催し、金沢市・菊川の空き家群にある5軒の家屋(空き家、空き部屋、空き家を改築した家など)を使用します。藩政期時代、足軽の居住エリアだった菊川は、敷地が狭く建替えが難しいなどの理由で郊外へ転居する世帯が多いため、今なお空き家が増え続けています。一方でこのエリアは、市中心部から徒歩20分圏内に位置し、藩政期からの長い歴史や物語をはらむ魅力的な場所です。本展に訪れた人びとは迷路のような菊川の路地に迷い込み、非日常を体験することになるでしょう。

続きは展覧会公式webサイトでご覧いただけます


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